大手ハウスメーカーが注文住宅事業を縮小。これからの注文住宅市場と住宅会社選びを考える
2026年9月、住宅業界にとって大きなニュースがありました。
大和ハウス工業が、新築戸建住宅事業の展開エリアを大幅に見直すことを発表しました。
報道によると、現在45道府県にある50の事業所を、東京・大阪など都市部を中心とした14事業所へ集約。23道県では、新築戸建住宅の販売事業から撤退する方針です。
日本を代表する大手ハウスメーカーの一社が、なぜ今、新築戸建住宅事業を縮小するのでしょうか。
実はこのニュースからは、現在の注文住宅市場が置かれている状況と、これからの家づくりがどう変わっていくのかが見えてきます。
今回は、山口県下関市で注文住宅を手掛けるエコビルドの視点から、これからの注文住宅市場について考えてみたいと思います。
注文住宅が「売れない時代」になった?
今回のニュースだけを見ると、
「これから家を建てる人がいなくなるの?」
「注文住宅の時代は終わるの?」
と思われる方もいるかもしれません。
もちろん、そういうことではありません。
ただし、日本全体で見ると、新築住宅市場が縮小傾向にあることは事実です。
人口減少や少子高齢化に加えて、建築資材や人件費の上昇、住宅価格の高騰など、家づくりを取り巻く環境は大きく変化しています。
国土交通省の住宅着工統計でも、2025年度の新設住宅着工戸数は、持家・貸家・分譲住宅のすべてが減少しました。
つまり、
「家を建てれば売れる時代」から、「本当に選ばれる住宅だけが残っていく時代」へ変わってきている
と私たちは考えています。
なぜ大手ハウスメーカーが地方から撤退するのか
今回、大和ハウス工業が発表した内容で特に興味深いのが「地域による住宅需要の違い」です。
東京・大阪・愛知などの都市圏では人口流入などによって一定の住宅需要が期待できる一方、地方では人口減少などによって新築住宅市場の縮小が進んでいます。
全国一律で新築戸建住宅の営業拠点を維持するよりも、需要の大きい都市部へ経営資源を集中する。
全国規模で事業を展開する企業として考えれば、合理的な判断だと思います。
そしてこれは、大和ハウスだけの話ではありません。
これから住宅市場そのものが縮小していけば、住宅会社にはこれまで以上に、
「どの地域で家を建てるのか」
「どんな住宅を提供するのか」
「自分たちは何を強みにするのか」
が問われるようになります。
一方で「いい家」への要求は高くなっている
ここが現在の注文住宅市場の面白いところです。
新築住宅の着工戸数そのものは減少傾向にあります。
しかし、住宅に求められる性能や品質は、むしろ高くなっています。
2025年4月には、原則すべての新築住宅で省エネ基準への適合が義務化されました。
さらに2030年度以降は、ZEH水準の省エネ性能を新築住宅の基本的な水準としていく方向で制度が進んでいます。
断熱性能、気密性能、省エネ性能、耐震性能、耐久性。
以前であれば「こだわり」と考えられていた住宅性能が、これからは当たり前のものになっていきます。
つまり住宅市場は、
「たくさん建てる市場」から「一棟一棟の価値が問われる市場」へ
変化しているのではないでしょうか。
注文住宅だからこそ求められる「設計力」
そして、もう一つ私たちが重要だと考えているのが「設計」です。
住宅性能が高くなれば、それだけでいい家になるわけではありません。
例えば、同じ30坪の住宅でも、
どこに窓を配置するのか。
どこから光を取り込むのか。
家事動線をどうするのか。
土地のどこに建物を配置するのか。
隣家からの視線をどう避けるのか。
庭と室内をどうつなげるのか。
設計によって、実際の暮らしやすさは大きく変わります。
特に注文住宅では、土地も家族構成も生活スタイルも一棟一棟違います。
だからこそ私たちは、これからの注文住宅には「高い住宅性能」と同時に「設計力」がより求められると考えています。
エコビルドが建築家との家づくりを続ける理由
エコビルドでは、山口県下関市を中心に建築家とつくる注文住宅を手掛けています。
私たちが建築家との家づくりを大切にしている理由は、単に「おしゃれな家を建てたいから」ではありません。
敷地条件、周辺環境、太陽の入り方、風の流れ、家族の暮らし方。
それぞれの条件を読み解き、その土地、その家族だからこそ成立する住まいを考えることが、注文住宅の価値だと考えているからです。
そして、設計だけではなく住宅性能や施工品質にも明確な基準を設けています。
エコビルドの建築家住宅「ARCHINEXT」では、UA値0.38以下、C値0.3以下を全棟の基準とし、許容応力度計算による耐震等級3、耐風等級2を採用。
さらに全棟で気密測定を行い、第三者による施工監査も取り入れています。
「建築家だからデザインがいい」
「高性能だから快適」
どちらか一方ではなく、
設計 × 性能 × 施工品質
この3つが揃って初めて、長く安心して暮らせる注文住宅になると私たちは考えています。
地方の住宅会社だからできること
大手ハウスメーカーが地方での新築戸建住宅事業を見直していくなか、私たちのような地域の住宅会社に求められる役割も、これまで以上に大きくなると感じています。
下関市で家を建てるのであれば、下関の土地を知っていること。
地域の気候を知っていること。
そして家を建てた後も、この地域でお客様の暮らしを支え続けること。
全国に何千棟、何万棟と住宅を供給することは、私たちにはできません。
その代わり、一棟一棟のお客様と向き合い、その土地に合った家をつくり、完成後も長くお付き合いしていく。
それが地域に根ざした住宅会社の役割だと思っています。
これから住宅会社を選ぶ人に考えてほしいこと
注文住宅市場が変化している今だからこそ、住宅会社を「会社の大きさ」や「知名度」だけで比較するのではなく、
「この会社は、これからの時代にどんな家を残そうとしているのか」
を見てほしいと思います。
住宅性能の基準はどこに設定しているのか。
設計を誰が行うのか。
現場の施工品質をどう担保しているのか。
完成後、誰が家を守ってくれるのか。
そして、その地域でこれからも家づくりを続けていく会社なのか。
住宅は、建てて終わりの商品ではありません。
30年、40年、50年と家族の暮らしを支えるものです。
だからこそ住宅会社を選ぶときには、
「どこで建てるか」だけでなく、「誰と建てるか」
まで考えてみてください。
エコビルドはこれからも下関という地域に根ざし、建築家による設計、高い住宅性能、そして確かな施工品質を大切にしながら、一棟一棟の家づくりと向き合っていきます。
これから下関市で注文住宅や家づくりを検討される方にとって、住宅会社を考える一つのきっかけになれば幸いです。
